■■■セブ■■■
フィリピンのセブに来ています。フライトが1時間遅れるというアクシデントがありましたが、9時過ぎには到着し、早速現地の最新物件の見学を開始しました。

セブというと、リゾートのイメージが強いですが、フィリピン第2の都市として、BPOビジネス(アウトソース事業)が急激に伸びています。その成長性にフィリピン国内からも注目が集まり、アヤラ、ロックウェルといったマニラで開発をしている会社がセブでの開発の参入してきています。

この日はビーチにあるタンブリ(Tamburi)という物件と、中心部のモール近くにある利便性の高い物件、さらにITパークの新築と中古のコンドミニアム、ロックウェルがマニラ以外で初めて手掛ける32サンソンという物件を見学しました。また、アヤラランドの建設現場にヘルメットを被って特別に入れてもらい、施工の現場を確認しました(写真)。

セブの不動産を視察していて、フィリピン不動産、あるいは新興国への投資について、気が付いたポイントは次のような点でした。

1.VAT(付加価値税)
320万ペソ(日本円で約800万円)以上の物件にはVAT(付加価値税)12%がかかります。低価格の物件を購入する場合、このラインを超えるかどうか確認が必要です。また、価格にVATが入っているかどうかも要チェック。

2.想定家賃
想定家賃はディベロッパーによって、かなりアバウトなので、周囲の賃料相場を確認することが必要。想定した家賃で賃貸できなければ実際の利回りは下がります。v

3.付帯設備
価格に付帯設備がどこまで入っているかも要チェック。エアコン、冷蔵庫、洗濯機&乾燥機、などは入っている場合と含まれない場合があります。

4.支払方法
支払方法(ペイメントスケジュール)で価格が大きく変わります。プレビルド物件の場合、現金一括で購入すれば10%程度は価格が割引になるケースが多いようです。支払方法にによる価格の変化について確認が必要です。

5.為替レート
今後更に円安になれば、物件価格が円ベースで上昇します。支払を先延ばしにして、円安になると当初想定していた価格より支払が膨らんでしまう可能性があります。資金計画は慎重に立てるべきです。

セブの街は前回来た時よりも更に発展していました。街並みは洗練され、新しいビルやコンドミニアムも増えています。高成長を続けるフィリピンの中でも成長エリアとして注目されていることがわかります。首都マニラよりリスクは高いかもしれませんが、ポテンシャルの高い投資エリアだと思いました。

■■■マニラ■■■
マニラの不動産視察の一日でした。朝5時にセブのホテルのロビーに集合。早朝のフライトで、8時にマニラに到着。早速、マニラの高級住宅地ロックウェルから視察開始です。

アジア開銀やJICA、大手商社などの日本人駐在員に人気の高いロックウェル。14年が経過したという中古の物件もメンテナンスが行き届いていて、充分投資対象として魅力的でした。新しく建設されるプロジェクトの売れ行きも好調。ロックウェルブランドはフィリピンでは高く評価されているようです。

このような、モデルルームを見るだけで、うっとりしてしまうような超高級物件を見る時に気を付けなければいけないことは、「自分が住みたい」ということと「投資対象として魅力的」ということを分けて考えることです。

一般に不動産は、高級な物件になるほど利回りが下がる傾向があります。例えば、東京の賃貸利回りは、山手線の外側にあるワンルームのような賃貸マンションなら5%程度ですが、港区の100平方メートルを超えるような高級賃貸マンションになると2~3%に利回りが下がります。高級物件になると、投資目的ではなく、欲しいから買うという投資尺度を無視した購入層がいるので、価格が高くなり利回りが下がってしまうのです(それ以外にも投資リスクの反映や、値上がり益期待などの理由もあります)。

利回りが高いということは、貸し手の方が借りてより有利
利回りが低いということは、借り手の方が貸し手より有利

ということです。

そのような環境下であれば、利回りの高いエリアで不動産投資をして、利回りの低いエリアで賃貸に住むのが合理的な選択です。

5000万円で10%の利回りの場所があれば、年間500万円の家賃です。それを自分が住んている利回り5%のエリアの家賃に使えば、(税金やコストは考慮しないとして)1億円の物件に住めることになります。

ワイン投資の銘柄選びでは「美味しいワイン」ではなく「値上りするワイン」を見つけなければなりません。

不動産投資も同じです。自分が住みたい場所は賃貸して、投資対象として魅力的な場所から得られる家賃を支払いに使う方が、理にかなっています。

自分が住みたいかではなく、その物件にどんな人に住んでもらえるのかを想像する。そんな投資家としての冷静な視点を常に持ち合わせていたいものです。

■■■フィリピン不動産の魅力■■■
フィリピンスタディ・ツアーが無事に終了しました。セブ島からマニラ主要地域まで、15以上の物件を一気に視察。マニラもマカティ、オルティガス、ロックウェル、グローバルシティ、センチュリーシティ、カジノエリア・・・と、ほぼ全域をカバーしました。

フィリピンの不動産の魅力の1つは、物件のバリエーションの豊かさです。写真は、オルティガスにあるローカル向けの物件ですが、平方メートル単価で60000ペソ(15万円)程度の低価格です。500万円前後から投資できる物件ですが、仕上がりのクオリティは高く、エンドユーザーが居住用に購入したり、外国人が投資目的で買ったりしています。

一方の、高級物件になると、平方メートル単価が、4倍近くになる物件もあります。グローバルシティのようなハイエンドの居住者が多く住んでいる街では、この手の物件が多くなりますが、新興国の物件を目利きする1つの方法として「ルイ・ヴィトンの法則」があります。

これは、ルイ・ヴィトンが進出してきた街やエリア、そして店舗が入っているビルは、その地域のランドマークになるという法則です。

高級ブランドの代名詞であるルイ・ヴィトンは、進出エリアの付近に住んでいる住人の収入やライフスタイルを徹底的にリサーチして、自社の商品を購入する層が一定以上になると進出を決断するそうです。つまりルイ・ヴィトンが店舗を出しているということは、そのエリアが極めて洗練された人たちが住んでいる場所であることを証明しているようなものです。

マニラにもルイ・ヴィトンが入っているビルがいくつかあります。多くは既に開発が進んだ物件で、手の届く価格ではありませんが、今回視察したグローバルシティには、通常のルートでは手に入らない「ルイ・ヴィトンの法則」に当てはまる、投資価格の低い物件がありました。恐らく、瞬間蒸発のように売れてしまうと思いますが、現地に行くとこのような物件に出逢えるチャンスもあるのです。

「ルイ・ヴィトンの法則」が果たして、マニラでも機能するのか。3年後、5年後が楽しみになってきました。

☆現在募集中のツアーはこちら(2015年3月13日出発タイ(バンコク、シラチャ))
http://asset-design.jp/news/?cat=8