最新ニュースNews

2014年11月7日からフィリピンのスタディツアーを開催しました

■■■セブ■■■
フィリピンのセブに来ています。フライトが1時間遅れるというアクシデントがありましたが、9時過ぎには到着し、早速現地の最新物件の見学を開始しました。

セブというと、リゾートのイメージが強いですが、フィリピン第2の都市として、BPOビジネス(アウトソース事業)が急激に伸びています。その成長性にフィリピン国内からも注目が集まり、アヤラ、ロックウェルといったマニラで開発をしている会社がセブでの開発の参入してきています。

この日はビーチにあるタンブリ(Tamburi)という物件と、中心部のモール近くにある利便性の高い物件、さらにITパークの新築と中古のコンドミニアム、ロックウェルがマニラ以外で初めて手掛ける32サンソンという物件を見学しました。また、アヤラランドの建設現場にヘルメットを被って特別に入れてもらい、施工の現場を確認しました(写真)。

セブの不動産を視察していて、フィリピン不動産、あるいは新興国への投資について、気が付いたポイントは次のような点でした。

1.VAT(付加価値税)
320万ペソ(日本円で約800万円)以上の物件にはVAT(付加価値税)12%がかかります。低価格の物件を購入する場合、このラインを超えるかどうか確認が必要です。また、価格にVATが入っているかどうかも要チェック。

2.想定家賃
想定家賃はディベロッパーによって、かなりアバウトなので、周囲の賃料相場を確認することが必要。想定した家賃で賃貸できなければ実際の利回りは下がります。v

3.付帯設備
価格に付帯設備がどこまで入っているかも要チェック。エアコン、冷蔵庫、洗濯機&乾燥機、などは入っている場合と含まれない場合があります。

4.支払方法
支払方法(ペイメントスケジュール)で価格が大きく変わります。プレビルド物件の場合、現金一括で購入すれば10%程度は価格が割引になるケースが多いようです。支払方法にによる価格の変化について確認が必要です。

5.為替レート
今後更に円安になれば、物件価格が円ベースで上昇します。支払を先延ばしにして、円安になると当初想定していた価格より支払が膨らんでしまう可能性があります。資金計画は慎重に立てるべきです。

セブの街は前回来た時よりも更に発展していました。街並みは洗練され、新しいビルやコンドミニアムも増えています。高成長を続けるフィリピンの中でも成長エリアとして注目されていることがわかります。首都マニラよりリスクは高いかもしれませんが、ポテンシャルの高い投資エリアだと思いました。

■■■マニラ■■■
マニラの不動産視察の一日でした。朝5時にセブのホテルのロビーに集合。早朝のフライトで、8時にマニラに到着。早速、マニラの高級住宅地ロックウェルから視察開始です。

アジア開銀やJICA、大手商社などの日本人駐在員に人気の高いロックウェル。14年が経過したという中古の物件もメンテナンスが行き届いていて、充分投資対象として魅力的でした。新しく建設されるプロジェクトの売れ行きも好調。ロックウェルブランドはフィリピンでは高く評価されているようです。

このような、モデルルームを見るだけで、うっとりしてしまうような超高級物件を見る時に気を付けなければいけないことは、「自分が住みたい」ということと「投資対象として魅力的」ということを分けて考えることです。

一般に不動産は、高級な物件になるほど利回りが下がる傾向があります。例えば、東京の賃貸利回りは、山手線の外側にあるワンルームのような賃貸マンションなら5%程度ですが、港区の100平方メートルを超えるような高級賃貸マンションになると2~3%に利回りが下がります。高級物件になると、投資目的ではなく、欲しいから買うという投資尺度を無視した購入層がいるので、価格が高くなり利回りが下がってしまうのです(それ以外にも投資リスクの反映や、値上がり益期待などの理由もあります)。

利回りが高いということは、貸し手の方が借りてより有利
利回りが低いということは、借り手の方が貸し手より有利

ということです。

そのような環境下であれば、利回りの高いエリアで不動産投資をして、利回りの低いエリアで賃貸に住むのが合理的な選択です。

5000万円で10%の利回りの場所があれば、年間500万円の家賃です。それを自分が住んている利回り5%のエリアの家賃に使えば、(税金やコストは考慮しないとして)1億円の物件に住めることになります。

ワイン投資の銘柄選びでは「美味しいワイン」ではなく「値上りするワイン」を見つけなければなりません。

不動産投資も同じです。自分が住みたい場所は賃貸して、投資対象として魅力的な場所から得られる家賃を支払いに使う方が、理にかなっています。

自分が住みたいかではなく、その物件にどんな人に住んでもらえるのかを想像する。そんな投資家としての冷静な視点を常に持ち合わせていたいものです。

■■■フィリピン不動産の魅力■■■
フィリピンスタディ・ツアーが無事に終了しました。セブ島からマニラ主要地域まで、15以上の物件を一気に視察。マニラもマカティ、オルティガス、ロックウェル、グローバルシティ、センチュリーシティ、カジノエリア・・・と、ほぼ全域をカバーしました。

フィリピンの不動産の魅力の1つは、物件のバリエーションの豊かさです。写真は、オルティガスにあるローカル向けの物件ですが、平方メートル単価で60000ペソ(15万円)程度の低価格です。500万円前後から投資できる物件ですが、仕上がりのクオリティは高く、エンドユーザーが居住用に購入したり、外国人が投資目的で買ったりしています。

一方の、高級物件になると、平方メートル単価が、4倍近くになる物件もあります。グローバルシティのようなハイエンドの居住者が多く住んでいる街では、この手の物件が多くなりますが、新興国の物件を目利きする1つの方法として「ルイ・ヴィトンの法則」があります。

これは、ルイ・ヴィトンが進出してきた街やエリア、そして店舗が入っているビルは、その地域のランドマークになるという法則です。

高級ブランドの代名詞であるルイ・ヴィトンは、進出エリアの付近に住んでいる住人の収入やライフスタイルを徹底的にリサーチして、自社の商品を購入する層が一定以上になると進出を決断するそうです。つまりルイ・ヴィトンが店舗を出しているということは、そのエリアが極めて洗練された人たちが住んでいる場所であることを証明しているようなものです。

マニラにもルイ・ヴィトンが入っているビルがいくつかあります。多くは既に開発が進んだ物件で、手の届く価格ではありませんが、今回視察したグローバルシティには、通常のルートでは手に入らない「ルイ・ヴィトンの法則」に当てはまる、投資価格の低い物件がありました。恐らく、瞬間蒸発のように売れてしまうと思いますが、現地に行くとこのような物件に出逢えるチャンスもあるのです。

「ルイ・ヴィトンの法則」が果たして、マニラでも機能するのか。3年後、5年後が楽しみになってきました。

☆現在募集中のツアーはこちら(2015年3月13日出発タイ(バンコク、シラチャ))
http://asset-design.jp/news/?cat=8




2014年11月1日からタイのスタディツアーを開催しました

■■■バンコク■■■
スタディ・ツアーでバンコクの不動産視察を行いました。写真(左)は、視察に出かける前に、参加者と物件案内をしてくれたステイジアキャピタルの吉岡さんを交えた作戦会議です。この日は全部で7つの物件を見学。既に完成しているものもあれば、まだ、モデルルームさえ出来ていない真新しい物件もありました。タイに限らず、新興国の不動産には、日本とは違う魅力がいくつかあります。

新興国の不動産に共通していることですが、プレビルドと呼ばれる完成前物件を購入する場合、販売が進むと共に価格が上昇していく傾向があります。フランスのワインのプリムールのように、最初の売り出し価格で販売が好調だと、ディベロッパーが強気になって、3か月も経たないうちに価格を上げてくるのです。先月までの価格と今月からの価格が違っているといったことが珍しくありません。

建設が進むと共に、完成リスクも減っていきますし、金利負担も小さくなりますから、その分価格が上昇するのは、理にかなっているとも言えます。タイミングを逃すと、安く買えるチャンスを逃してしまうのです。今回視察した物件も、人気のあるコンドミニアムは5か月前に視察した時と比べ値上りしていました。

また、日本の不動産と異なるのは、為替の影響を受けるという点です。先週、円安ドル高が進み、新興国通貨も円に対して上昇しています。タイバーツ、マレーシアリンギ、フィリピンペソといった通貨が上昇すれば、現地価格が変わらなくても、円ベースの価格は上昇していきます。将来、海外不動産を購入する予定のある人は、物件が決まっていなくても、FXを使って外貨の買いポジションを作っておけば、将来の円安リスクをヘッジできます。

そして、新興国の不動産と日本国内の不動産の3つ目の違いは、新興国不動産は「ベータ」を狙うことができるという点です。ベータというのは、市場の平均のことです。マーケット全体が上昇していく傾向がある市場であれば、どの銘柄に投資しても、リターンを得ることができます。インデックス運用と呼ばれる運用手法は、市場の平均値を狙う投資ですが、市場平均が長期的に上昇していくことを前提にしています。新興国の不動産も長期的に見れば、同じような傾向が予想できるのです。

タイの不動産を買うか、カンボジアの不動産を買うか、といった「エリア選択」よりも、「新興国不動産に資金を置いておく」ことによって、新興国の成長の恩恵を来たいできるということです。海外というハードルはありますが、それを超えてしまえば、マーケット自体の魅力は大きいと言えます。

新興国の不動産とは対照的に、日本の不動産は市場全体の成長をあまり期待できません。全国の賃貸物件の平均空室率は20%。東京だけでも10%を超えています。人口減少と経済成長率の低下によって、日本全体で不動産価格が上昇する可能性は、低いと言えます。全体の上昇を前提とする「ベータ」投資が、ワークしないのです。

だから日本の不動産は、どこに投資するか、どの物件を選ぶか、によって大きな差が出てきます。目利きが出来ない初心者が、我流で投資をして、思いがけない展開に巻き込まれるのは良くあることです。

海外不動産と日本の不動産には、それぞれの特徴があるということです。どちらが良い悪いではなく、それぞれのマーケットの違いを理解し、自分の合った投資対象を選択していくことが大切です。

■■■シラチャ■■■
タイの首都バンコクから、車で2時間のシラチャに行ってきました。日本の製造業拠点が密集した工業団地があり、日本人駐在員が急増しているエリアです。シラチャでは不動産マーケットに大きな「歪み」が生じています。

写真(中)は、最近完成して入居開始しているシラチャ中心部にあるコンドミニアムの賃料です。ワンベッドと呼ばれる30平方メートルほどの単身者向けの物件の賃料が30000バーツ(100,000円)という高値です。日本人の入居者がほとんどで、ほぼ満室。1つだけ空いているという部屋を見学しましたが、高級コンドミニアムというより、東京の公営住宅のような平均的な造りです。

タイの片田舎にあるこのような物件に高賃料にも関わらず賃貸希望者が殺到しているのは、需給の極端な「歪み」が存在するからです。現時点では、工業団地に大量の日系企業が進出し、駐在員が住むためのシラチャのコンドミニアムの絶対数が不足しています。需給バランスが完全に崩れてしまったのです。今後、工場移転がさらに進めば、この傾向にさらに拍車がかかります。

もちろん、新しい物件の建設も始まっていますから、供給サイドの改善が少しずつ進む可能性もあります。しかし、現在建設されている主要な大型物件は、2016年末に完成する2物件のみ。日本人駐在員の求めるようなグレードの物件は、なかなか増えない状態です。

ちなみに、2016年に完成する新築物件の同じ広さで近隣に建設中のワンベッドルームの販売価格は、日本円で諸経費込みで1200万円弱。今貸し出されている30平方メートルの物件の賃料をそのまま使って計算しても、表面利回りは10%以上になります。将来の需給によって利回りは下がる可能性がありますが、新興国の新築物件ではあまり見かけない高い水準です。

シラチャのJパークという商業施設には、不思議な雰囲気の大きなちょうちんがぶら下がり、リトル東京のような日本人のたまり場になっていました。日本人学校の建設や、バンコクからの高速鉄道の建設計画も予定されており、のんびりとしたこの街の3年後5年後の変貌は、想像を超えたものになる可能性があります。

☆現在募集中のツアーはこちら(2015年3月13日出発タイ(バンコク、シラチャ))
http://asset-design.jp/news/?cat=8




2014年10月24日からカンボジアのスタディツアーを開催しました

3か月ぶりのプノンペンですが、毎回行く度に変化があって、そのスピードに付いていくのが大変です。今回も空港から市内に向かう幹線道路に、大きな病院がオープンしていたり、ポルシェの販売店が開店準備を始めたり、マレーシアの百貨店パークソンの建設が始まったりと、目まぐるしい動きがあります。

その一方で、ツアー参加者と一緒に行ったロシアンマーケットでは、ローカルの人たちが、のんびりとした雰囲気の中で買い物をしている変わらない光景がありました。

写真(左)は、軒先で炭火で焼いているタコ焼きのような食べ物です。タコ焼きよりは大ぶりで中には具が入っていませんが、外がカリッとして、中は熱々でフワフワ。おやつのようなものらしく、ローカルの人たちが次々に出来立てを買っていきます。私も真似をして、5個入りを買ってみました。値段は2000リエル(約50円)。1個10円のローカルフードです。

マーケットには、肉や魚、野菜など、様々な食材が売られています。食材だけではなく、洗剤や衣料品、さらには美容院のようなお店もありました。英語は通じませんが、現地の人たちが生活するのに必要なものは全て揃っているようです。

プノンペンが今後、さらに発展を続ければ、こんなローカルのマーケットも徐々に縮小していくのではないかと思いました。6月末にはイオンモールがオープンし、今後近代的なスーパーやデパートがさらに増えてくれば、そちらにお客さんは流れていきます。無くなりはしなくても、今より活気がなくなっていくのかもしれません。

ロシアンマーケットでは、小さな子供からお年寄りまで、家族全員で仕事をしているような、光景も珍しくありません。親子3代で仲良くお店を切り盛りしている様子を見ていると、苦労もあると思いますが、何だかみんな幸せそうに見えます。

カンボジアに来ると、いつもホッとした気分になるのは、こんな日本には無くなってしまった昔の情景をこの街で見ることができるからなのかもしれません。近代化が進み、カンボジアの人たちが今よりもっと豊かに生活するようになる5年後、10年後にも、こんなマーケットがプノンペンの街に残っていてほしいと思いました。これは、先進国に暮らす旅行者のエゴイズムでしょうか。

☆現在募集中のツアーはこちら(2015年3月13日出発タイ(バンコク、シラチャ))
http://asset-design.jp/news/?cat=8




2014年7月30日からカンボジアのスタディツアーを開催しました

プノンペンは、前回来た半年前より着実に進化していました。

イオンモールは開業から1か月。日本の地方で見るものと大きな違いはありませんが、プノンペンののどかな街に突然現れる、あの独特の色のロゴはインパクトがあります。平日のモール内は、それほど混雑していませんでしたが、ここだけは雑然とした市街地とは別世界。

コンドミニアムの建設も着々と進んでいます。昨年はまだ、工事現場の外部に取り付けられたスリリングなエレベーターで最上階まで登っていた「デキャッスル」は、美しいエレベーターが建物内部に完成し、内装も着々と進んでいます。9月には入居が始まる予定です。

デキャッスル以外にも、新しいプロジェクトをいくつか見学しましたが、どれもクオリティが高く、日本の物件と内装のセンスなどは遜色ないレベルです。今回のスタディ・ツアーでも現地を視察した新しく建設されるコンドミニアムについては、下記の画面でもご紹介しています。

今回の視察で感じたことは、カンボジアの将来に対する大きな期待です。プノンペンの発展ぶりは、想像以上でこれからさらに開発が加速していく可能性が高いと感じました。

とは言え、新興国の不動産投資には、高いリスクがあります。国内で投資するよりも高いリターンを期待するのですから、リスクが高くなるのはマーケット原理からして自然なことです。

カンボジアのような新興国への不動産投資にネガティブな意見の中には、「前例がない」のを理由にしている人がいます。

カンボジアには10年以上経過したコンドミニアムがありません。今、新築で購入しても5年後、10年後どうなるかは、前例がない。もしかしたら、劣化が激しく、市場価値が落ちるかもしれない。あるいは、将来の売却時の流動性に問題があるかもしれない・・・。様々なリスクがわからないから投資しないという意見です。

「前例がないから、やらないのか」それとも「前例がないからこそ、やってみるのか」は、まったく対照的な考え方です。

将来の不確定なリスクに対して、どのような判断をするかは、個人投資家の判断ですが、私は失敗しても良いと思える範囲のリスクであれば「前例がないからこそ、やってみる」ことに大きなチャンスがあると思っています。カンボジアをはじめとする新興国には、前例がないことに対するマーケットからの超過リターンが眠っていると考えるからです。

カンボジアは、投資適格格付になっていない小さな国です。大手の銀行の資金量がわずか2000億円程度ですから、日本の信用金庫よりも小さいレベルです。投資をするのにはそれなりの覚悟が必要だと思います。しかし、だからこそ想像を超えた大きな可能性が見えてくるのだと思います。

すべてのリスクを完全に把握して投資判断することは不可能です。しかし、スタディ・ツアーでは厳選された現地のパートナーに厳選された物件を紹介してもらい、出来る限り客観的な視点を提供できる仕組みを作るよう努力しています。最大限の判断材料を提供して、納得できる判断をしていただくのが目的です。

次回のスタディ・ツアーは、10月に再びカンボジア、そして11月にフィリピンを予定しています。毎回素晴らしいメンバーに恵まれて、楽しく充実したツアーになっています。今年の年末にかけてのツアーも今から楽しみです。

☆現在募集中のツアーはこちら(2015年3月13日出発タイ(バンコク、シラチャ))
http://asset-design.jp/news/?cat=8

☆コンドミニアムのご紹介はこちら
http://investment-cambodia.asia/campaign/collaboration/




2014年7月3日からバングラデシュのスタディツアーを開催しました

■■■1日目■■■
バングラデシュのダッカに到着しました。バンコクからは飛行機で3時間足らず。しかし、到着するとやはり文化の違いを感じます。

タイは仏教文化ですが、バングラデシュはイスラム文化。しかも、丁度ラマダンの時期に重なっていることもあり、以前ダッカに来た時より、さらにイスラムの香りを感じます。空港を出た瞬間に見えてくる、たくさんの人、人、人!リキシャと車が混沌としている風景は、やはりダッカならでは。とてつもないエネルギーを感じます。

ホテルにチェックインした後、早速開発エリアであるボシュンドラを視察しました。ここは、ダッカの中心部からほど近いにも関わらず、これから開発の進むエリア。A地区からP地区まで順次開発されています。A~Dといった古いエリアは既に多くのコンドミニアムやオフィスビルが建ちあがり、価格も急騰しています。

F地区に建設中のコンドミニアムを見学しましたが、こちらのオーナーは日本人の起業家の方。昨年購入した土地に、現地のデベロッパーとレベニューシェア(完成時に土地と建物の価格比率で物件を按分する方法)で建設しているものです。6フロアあって、150平方メートルの1フロアを1200万タカ(約1600万円)で販売しています。

さらに奥のN地区にも行きましたが、このエリアはまだ何も建物の無い更地です。電気や水道は引かれていますが、まだ開発許可を得られていません。1カタ(約20坪)で300万タカ(約400万円)ですから、1000万円台前半でコンドミニアム建設に必要な最低限の土地を確保できます。

開発許可が得られていないということは、将来建設できないリスクがあるということです。しかし、もし開発許可が下りれば、その時点でリスクファクターが1つ減った分、価格は上昇するはずです。そして、その次にコンドミニアムを建てるとすると、今度はデベロッパーの完成リスクが存在します。これも、完成した時点で、リスクが減った分、また価格は上がるはずです。

ボシュンドラの不動産を見ていると、開発が終わったA~Dのようなエリアはリスクが低く、その代わり低リターン。N地区のような、まだ未知の部分があるエリアはリスクが高い分、大きなリターンの可能性があることがわかります。

開発許可が下りていて、デベロッパーの完成リスクが無く、テナントも決まっている。そんな物件は、利回りが低く、既に価格が高くなっていますからアップサイドは限られています。逆に、様々なリスクを持ったエリアの物件であれば、リスクファクターがクリアされる毎に、それが価格の上昇につながっていくのです。

投資とは、リスクとリターンのトレードオフであることが、よくわかります。

■■■2日目■■■
ダッカの2日目は、雨から始まりました。雨季ということで、覚悟はしていたのですが、予想を超える大雨。物件視察はグルシャンにあるコンドミニアムの室内からはじめました。グルシャンはダッカの中心部の一等地。コンドミニアムの価格は急騰しています。

例えば、築10年の中古物件で広さが200平方メートルで、価格は3000万円弱です。造作はしっかりしており、将来の値上がりの可能性もありますが、日本の個人投資家でこれだけの金額をダッカ1カ所に投資できる人は、かなりの勇気と保有資産を兼ね備えた人と言えるでしょう。

カマルパラという新しく開発される予定のあるエリアを抜けて、午後からはアシュリアというダッカより郊外のエリアを視察しました。ここは、住宅地というより工場用地で、日本のアパレルメーカーも続々進出してきている地域です。土地を購入する場合、500万円前後から可能です(広さは、5カタ=約100坪)。バングラデシュ人も個人で購入している人が多く、地元でも期待が高まっていることがわかります。5年~10年スパンで投資できるなら、検討に値するエリアです。

来年には、政府の方針でダッカ市内にある工場はすべて、郊外への移転が義務付けられるそうです。そうなれば、アシュリアへの工場進出のスピードは加速します。また、これから電力供給が安定に向かうことも、アシュリアには追い風です。

アシュリアの帰り道、地元の人が採れたてのドリアンを持ってきてくれました。新鮮なドリアンは、濃厚な甘い香りがあって、果肉はトロリとして柔らかいマンゴーのような感触。フレッシュな味が、病み付きになって、食べ始めるともう止まりません。ここでしか食べられない、最高の味を堪能しました。

アシュリアの開発が進めば、ドリアン畑はきっと縫製工場に変わってしまいます。素晴らしい自然と、そこにいる素朴で純粋な人は、無くなってしまうかもしれません。経済成長によって得られる、物質的な豊かさと引き換えに、消えてしまう大切なものもある。そんな現実を思いました。

しかし、自分たちだけが経済的な繁栄を謳歌し、新興国の人には成長は悪だと押し付けるのは、先進国の人間のエゴイズムです。得られるものと、それによって失ってしまうもの。2つのバランスを考えて、現実的なソリューションを考えていかなければならないと思いました。

ドリアン畑が無くなってしまうのは残念ですが、現実を見ればバングラデシュの人に必要なのは、経済成長とそれに伴う劣悪な生活環境の改善です。世界の投資家がバングラデシュに投資をし、それが経済を動かす力になって、現地の人たちの生活を変えていく。

投資とは、自分の資産を増やすためだけにやるのではなく、そこに大義があって、周囲の人を幸せにしなければ、長期的には成功しない。バングラデシュ投資には、その大義がある。短い時間でしたが、現地を自分の目で見て、そんな確信を持ちました。

■■■バングラデシュのスタディツアーを終えて■■■
バングラデシュのスタディ・ツアーの参加者は17名。それに、スペシャルゲストとして、既にダッカに複数の不動産を保有する日本人投資家の方にも同行していただきました。現地のアレンジをお願いしたクリエイティブのカマルさんも入れて、20名を超える盛況でした。

海外不動産投資は現地視察が大切というのが私の持論ですが、スタディ・ツアーを利用して行うと更にメリットが大きいと今回実感しました。その理由は、3つあります。

1つ目の理由は、効率性です。スタディ・ツアーで何回か実績のある場所であれば、毎回改善を重ね、無駄のないプランに練り上げられています。食事もみんなで行けば、たくさんの料理をシェアして味わえます。また、視察場所も個人では入れないような場所にも、団体ということで入れたりします。さらに、現地で案内してくれる人たちも大人数で来てくれた方が、セールスにつながる可能性が高いので、丁寧に接客してくれることもあります。個人で視察して、しつこくセールスされると気分が悪いものですが、スタディ・ツアーなら、私も同行していますので、そんなことはありません。

個人で行く方が自由が効きそうですが、特に新興国では、個人行動というのは効率が悪いものです。自分でガイドや車の手配をして、スケジュールを立てて行動するのは、何回も訪問して現地の事情を熟知した人以外は逆に非効率で高コストになりがちなのです。

2つ目の理由は、人脈の構築です。資産デザイン研究所のスタディ・ツアーは現地で、私が完全同行します。また、私だけでは無く、現地のスペシャリストの方にもアレンジと同行をお願いしています。さらに、今回のように現地で既に成功している日本人投資家の方がスペシャルゲストとしてジョインしたり、人脈を広げるチャンスをできるだけ大きくできるように工夫しています。1人で視察していては、ここまでの人脈を築くことは難しいと思います。

そして3つ目の理由は、参加者とのネットワークです。幸いなことに、私が企画しているスタディ・ツアーは、毎回メンバーに恵まれています。一人で参加される方が大半ですが、ツアーの間に年齢や仕事に関係なく、ユニークで楽しい方ばかりなので、自然に仲良くなって、お互いに情報交換を始めるようになります。今回の参加者も、Facebookで早速「バングラデシュ投資研究会」というグループを作り、ツアーが終わってからも情報交換を続けることになりました。

☆現在募集中のツアーはこちら(2015年3月13日出発タイ(バンコク、シラチャ))
http://asset-design.jp/news/?cat=8





カテゴリー

過去ログ

Twitter Feed